2月の言葉




一枝(いっし)梅花(ばいか)(ゆき)()して(かんば)


一面の白雪の中に、

 

これまた真っ白な花を、相映じ相和して、

 

馥郁と匂わせている梅花の風情で、

 

そこに天真の妙趣があります。

 

 

厳しい寒気をしのぎ 雪や霜にもめげず

 

百花にさきがけて咲く梅の花は、

 

品性気高き高士の風格に接するようで、 まことに潔いものを感じます。

 

 

この句の背後には、梅花の美しさと香しさには、

 

どれほどの苦難と試練とに堪えてきたか、

 

その忍苦を礼讃する意味がふくまれています。

 


 

また、人は、いろんな障害遭遇(そうぐう)した時にこそ、

 

はじめて、その人の真価があらわれてくる

 

―――それには 常日頃の修養が大切です。

 

 

あらゆる機会をとらえ、

 

困難なことも、苦しいことも、

 

すべて自分を磨く砥石(といし)と思って、

 

自己を錬磨(れんま)していくと、

 

その功が、 積り 積って

 

梅花のように清香を放つことができます。

 


ひとりぬる(くさ)(まくら)の (うつ)()

 

垣根(かきね)(うめ)の (にお)いなりけり

 

花鳥風月を友とした西行法師の『(さん)家集(かしゅう)』には、梅花にかかわる歌が十首ほどあり、

 

沢庵和尚には 梅花百首がある。

 

 

 

また、子供と鞠をついて遊んだ、良寛和尚にも

 

 

わらじに杖で、春二月‐‐‐‐‐梅花とともに、詩もできる

 

の詩があるように、

 

歌僧、禅僧梅花を愛した人は、きわめて多い。

 


然し、彼らは単に梅花そのものを 即物的に愛したのではない。

 

幾多の艱難(かんなん)辛苦(しんく)に耐えて努力精進し、

 

しかも毅然(きぜん)として節操を失わず、

 

清香を放つ高士の風格を、この梅花の姿にみて、 

 

自らもそうありたいとの願いをこめて、梅花を愛したのではないだろうか。

 

 


<愚 歌>

 

雪にたえ 霜にたたかれ 花ひらく

 

   梅の姿に み仏をみる


令和2年 2月 1日

 

                  日本三大渓谷・伊勢大杉谷 

        いのちの森建立勧進佛行 願主  こくけん もくらい 合掌


自然宗佛國寺:開山 黙雷和尚が、
行脚(徒歩)55年・下座行(路上坐禅)50年から得たものを お伝えしています。


下記FB:自然宗佛國寺から、毎月1日掲載

 

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感謝合掌  住持職:釈 妙円


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